核シェルターに備蓄すべき食料は?避難中の食事は?

食料

 北朝鮮を筆頭に核ミサイルの脅威が日々高まってきています。近い将来、みなさんも実際に核シェルターに避難することになるかもしれません。その際、十分な食料が確保できていないと、安全な核シェルターの中にいても命の危険に晒されてしまいます。

 そこで今回は、核シェルターにはどのような食料を備蓄しておくべきなのかや、避難中に食事をする際の注意点などについて説明します。

核シェルターに備蓄すべき食料は?

 実際核シェルターに避難することになった際、どのような食料がどれぐらいの量必要になるのでしょうか。また非常用の食料であっても保存期間には限りがあるため、ある程度の時間がたったら交換する必要があります。ここでは必要な食料の種類や量、保存期間について説明します。

何日分の食料が必要?

 核ミサイルによる攻撃が行われた場合、攻撃から48時間は絶対に外に出てはいけないと言われています。この期間は非常に危険な放射性物質が多く飛散していると考えられるからです。もちろん48時間が過ぎた後でも出来るだけ核シェルターの中にいた方が安全なので、可能ならば2週間分ぐらいの食料を備蓄しておくと、精神的にも少しの余裕が生まれます。ここでは食料の必要量は一人当たりの2週間分を目安に計算したものをご紹介します。

水の備蓄は最優先

 核シェルターに食料を備蓄する際には、まず水の確保を最優先にするべきでしょう。人は食べ物がなくても大体2、3週間は生きられますが、水がないと5日程度で死亡してしまうからです。また備蓄した食料を食べるにも水は必要となりますので、毎日十分な量を確保しておく必要があります。成人ならば一日3Lが目安ですので、2週間分だと42L、2Lペットボトル11本分が必要だということになります。

 普通の水道水を備蓄用として利用する場合、夏場では4日、冬場でも10日を目安に交換する必要があるため、あまり保存用としては適していません。浄水器の水は消毒用の塩素が取り除かれているので保存しないようにしましょう。

 最近は非常用として5年や10年保存可能な保存水が売られていますので、そちらを備蓄しておくのがお勧めです。備蓄用となると大容量のものを選びがちですが、すぐに飲み切れる500mLのものも合わせて用意しておくと、雑菌の繁殖を抑えることができます。備蓄した後は保存期限ぎりぎりまで利用しようとせず、期限の1年前ぐらいから新しいものと交換していき、古いものは普段の生活で利用していくとよいでしょう。

炭水化物は加熱しなくても食べられるものを選ぶ

 避難中の食料は出来るだけ高カロリーなものがよいため、保存のきく炭水化物を多めに用意するのが良いでしょう。しかし通常の白米や麺類などは多くの水と加熱を必要とするため、核シェルターの中では食べられない可能性があります。缶詰のパンならば開けてそのまま食べられるため、備蓄用として優れています。以前は非常食の定番だった乾パンは、口が乾燥して水を飲みたくなってしまうのでやめておいた方がいいでしょう。

 避難中でもお米が食べたいという方には災害非常米がおすすめです。これはご飯を炊いた後に乾燥させたもので、水を入れてしばらく置くだけで食べることができます。白米だけでなくピラフや炊き込みご飯などもあるため、自分の好みのものを選んでおけば避難生活中に少しの楽しみを得ることもできるでしょう。

 パンやご飯は毎食食べる必要があるため、一人2週間分、14食を用意しておきましょう。保存期間は5年程度のものが多いです。こちらも水と同じように、期限の1年前ぐらいから早めに交換するのがベターです。交換の際に実際に食べてみて、避難生活のシミュレーションをしてみるのもよいでしょう。

野菜やタンパク質を忘れずに

 核シェルターに避難する事態となった場合、高確率で日本の流通はストップしているでしょう。しばらくの間野菜や肉、魚といった生鮮食品は手に入らなくなってしまいます。そのため避難中の食料として水や炭水化物ばかりを備蓄していると、ビタミンや食物繊維、タンパク質などが不足し、体調不良につながる恐れがあります。

 乾燥野菜は袋から出してそのまま食べられるほか、水で戻してサラダのようにしたり、お湯があれば野菜スープを作ることができたりと様々な食べ方ができるため、避難中の単調になりがちな食事に変化を与えることができます。保存期限も5年以上のものが多いため、ぜひストックしておくとよいでしょう。また5年保存できる野菜ジュースも開発されています。こちらも普通に飲むだけではなく、先ほどの災害非常米を戻すのに使うなどして手軽に野菜をとることができます。他にも缶詰などが売られていますので、自分の好みに合わせておいしく食べられるものを選びましょう。

 魚や肉などは、様々な缶詰がありますので、こちらも自分が好きなものを選ぶのが一番です。ただしあまり味付けの濃すぎるものや辛いものなどは、水の消費量を多くしてしまうのでやめておきましょう。またタンパク質を補給するにはナッツ類も有効です。普通のピーナッツなども水分量が少なく日持ちしますし、非常用として1年以上食べられるものも売っています。

 野菜やタンパク質はそれぞれ1食に1つずつ、つまり14個ずつぐらいは用意しておくといいでしょう。缶詰は3年以上は食べられるものが多いですが、種類によってまちまちなため、一番期限の短いものに合わせて早めに交換していくと管理が楽になります。

避難中の食事方法について

 核シェルターでの避難生活中は、普段よりも衛生環境が悪くなっている可能性があります。また何らかの病気にかかってしまった際、すぐに病院に行くこともできません。食事を通じて体調不良になることのないよう、食事の方法にも気を付けましょう。

 まず食事をするときには必ず手を清潔にします。避難中は水の量が限られてくるため、除菌用シートや水のいらないハンドソープなどを用意しておくと便利です。同様に食器も清潔にしておく必要がありますが、食器の上にラップをしてから食べ物を置くと、食べ終わった後にラップを捨てるだけで食器をきれいにすることができます。温かい食べ物を置くときはラップが溶けてしまうこともあるので、クッキングシートを利用しましょう。

 封を開けたもの、調理などをしたものについては、出来るだけ早めに食べきることが大切です。飲み水なども、口をつけたものは早めに飲み切らないと菌が繁殖するので、大きな容器に入っている場合はコップなどに入れて飲むようにするべきです。また、避難中には歯磨きをすることも難しくなります。うがいの回数を減らせるよう、間食は控えて3食しっかりと食べるようにしましょう。

 核シェルターの中にいる間はゴミを捨てに行くこともできません。特に生ゴミは嫌なにおいや虫が寄ってくる元となるため、出来るだけ量を減らしたいものです。そのため食べ残しが出ないように気を付けましょう。また食料も袋から直接食べられるものを選ぶことでゴミを減らすことができます。それでも出るゴミは出来るだけ小さくまとめ、袋に入れて口を縛り、さらに密閉できる大きな容器に入れておくと安心です。

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 非常事態時に核シェルターに避難することができても、十分な食料が備蓄されていなければ生き残ることはできません。また食料は一度用意すれば安心というわけではないため、定期的に確認、交換していく必要があることも忘れないようにしましょう。いつ避難生活が始まっても乗り切れるよう、日頃の準備を怠らないことが最も大切です。