核マーク/ハザードシンボル/放射線マークとは?どんなデザインのマークか?
映画や漫画で時々出てくるハザードシンボル。ハザードシンボルは危険物や危険な場所について警告するために掲げられるもので、津波や高圧電力などの種類があります。映画や、ゲームとして有名な「バイオハザード」で登場する印象的なマークもハザードシンボルをもとにして作られたマークだといわれています。
そして、特に放射能や放射線の危険を警告する放射線マーク(核マーク、放射能標識、原子力マーク)は病院など、日常でも目にする機会のあるマークです。
放射線マークやこのマークは放射線に対する注意を促すマークで、なるべく分かりやすいデザインとなるよう考案されたものです。今回はこの放射線マークのデザインや歴史について、ハザードシンボルを見たことがないという方でもわかりやすく解説します。
核マーク/ハザードシンボル/放射線マークとは?
放射能、または放射線に対する注意を促し、警告の意味を伝えるために放射線マークは生まれました。放射線マークは核マーク、放射能標識、原子力マークなどとも言われていて、一般の方にとっても最も身近なところだと、病院のレントゲン室周辺で見ることが出来ます。
また、大学の実験室にもこの放射線マークが掲げられているところがあります。放射能や放射線はレントゲン等の診断の際、または実験の時にも使われることがあります。
たとえ微量でも放射能、放射線を扱う場所や放射線を発する機械のある場所では原則この放射線マークをかかげておくことが法律で義務付けられています。
放射線マークはハザードシンボルの一種
ハザードシンボル、という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。ハザードシンボルは危険物または危険な場所に対して注意を促すために生まれたマークです。
放射線マーク以外にも毒に対するハザードマーク、高電圧に対するハザードマーク、化学兵器に対するハザードマークなど、その種類は様々です。ハザードマークは黒と黄色で描かれたものが多く、その場所にどんな危険があるかを知らせる役割を持っています。
津波の警告標識もハザードマークのひとつで、場所によっては日常的にハザードマークを見ている方もいるかもしれませんね。放射線マークはハザードシンボルのひとつで、多くの国に共通して利用されています。誰が見ても一目で危険が分かるよう、そのデザイン作成にも細心の注意が払われています。
どういったマークがある?
放射線マーク、ハザードシンボルのデザインに関する規定は国際標準化機構(ISO)が明確に定めており、世界共通のデザインとなっているのですが、中には色や向きが違うものが放射線のマークとして言われていることもあります。映画や漫画などで使用されている放射線マークは正確でないものもあり、何が正しいマークか分からなくなってしまうかもしれません。
基本的な放射線マークは黄色の背景に黒の三つ葉が描かれているデザインです。また、電離放射線のハザードシンボルは赤い背景に黒の絵で放射線による人体への危険を表すデザインです。この電離放射線のハザードシンボルは遠い未来、放射線やハザードシンボルに関する知識が失われた場合や、放射線に関する知識のない人でも危険が分かるようにデザインされました。
従来の放射線マークだけだと、放射線や、シンボルに関する知識がない人にはどんな危険があるのか分かりずらくなっていました。そこで放射線の危険がある場所には電離放射線のマークを併記しておくことで警告の意を示すことが提唱されました。
現在日本では放射線マークと電離放射線マークの併記が義務付けられていませんが、近い将来よく見ることになるマークかもしれません。
マークデザインの意味は?
放射線マークの基本的なデザインは黄色の背景に黒の絵で、中心から三つの葉が飛び出すデザインとなっています。この三つの葉はそれぞれα線、β線、y線を表しており、中心となる原子核からそれぞれの放射線が飛び出している様子を簡単に表しています。
このシンボルは昭和21年にアメリカのカリフォルニア州バークレイ放射線研究所(現ローレンス・バークレー国立研究所)で考案され、国際原子力機構がこれを電離放射線のシンボルとして認めました。その後、国際標準化機構(ISO)が放射線による危険を警告するマークとして制定し、国際標準化機構(ISO)に加盟する多くの国で利用されるようになりました。
日本で使われているマークのデザインは形、割合、色、模様の角度が厳密に決められていて、放射線発生装置または放射性物質を使用する場所にはこの規定通りに提示することが義務づけられています。
いかがでしたでしょうか。今回の記事では放射線マーク、核マークやハザードシンボルについて解説いたしました。放射線マークは放射能、放射線の危険を知らせる非常に重要なマークです。今後もこのマークがある場所には十分注意するようにしてください。
放射線マークと併記して電離放射線マークや、日本語での注意書きがかかげられている場合もあります。ハザードシンボルだけでなくそちらも必ず確認するようにしましょう。また、病院のレントゲン室付近でも妊婦の方が利用する場合などは事前にお医者さんに安全かどうか確認してから立ち入ってくださいね。