原子爆弾(核爆弾)と原子力発電の違いは?原発の危険性に迫る

送電線

昨今、私たちがよく耳にする言葉となった【原子力】。

非常に大きなエネルギーを産み出し、私たちの生活を豊かにしてくれる反面、

そのエネルギーの強大さ故に、大きな危険を孕む存在です。

東日本大震災での原発事故を皮切りに、その危険性については大きな物議をかもしています。

また、北朝鮮の核爆弾問題についても度々話題になりますよね。

原発や核爆弾の問題は、もう決して他人事ではないのです。

身近に潜む大きな脅威に立ち向かうため、まずは知識を身に付ける必要があるのです。

原子爆弾、核爆弾とは?

ウランやプルトニウムといった元素が、核反応するときに発する膨大なエネルギーを利用した爆弾のことを「核爆弾」と呼びます。

核爆弾には原子爆弾(原爆)と水素爆弾(水爆)の2種類があります。

原子爆弾はウランやプルトニウムの核分裂により生み出されるエネルギーを利用します。一方、水素爆弾は、重水素などの核融合によるエネルギーを利用します。

この原子爆弾、いわゆる「原爆」と呼ばれるものですが、第二次世界大戦時、先進各国においてこの原子爆弾の開発が進められました。もちろん日本国内でも原子爆弾の研究が進められていました。

そして、世界中で唯一、日本だけが原子爆弾(核爆弾)の被曝国となりました。広島と長崎は原子爆弾(原爆)の被害に遭い、70年以上の時が経った今なお、その被害に苦しんでいる方がいるのです。原爆被曝者の数は、広島14万人、長崎7万人以上にも上り、人的被害の他にも、投下地点周囲2km以上の地点でも被害に遭っており、その凄惨さを物語っています。

核爆弾の脅威は、爆風、熱線、放射能の3点があげられますが、例え爆風と熱線を防いだとしても、その後、放射能によって体が汚染され、健康被害を受けることになります。核爆弾の脅威を防ぐ有効な手段としては、核シェルターがあげられます。

原子力発電とは?

原子力は兵器としての利用だけでなく、そのエネルギーは発電にも用いられます。原子力発電(原発)は、核分裂反応の際に発する熱を利用して高圧の水蒸気を発生させ、その水蒸気の力でタービンを回し発電するというシステムです。原子力発電は当初、火力発電のように環境汚染することのないクリーンな発電システムとして注目を集めました。

原子力発電と原子爆弾との大きな違いは、核反応を自在にコントロールできるか否かという点にあります。

原発の危険性について

原子力発電はウランやプルトニウムといった放射能物質を排出するため、これらの危険性については、度々議論の的となる部分です。

チェルノブイリや東日本大震災の福島第一原発事故を考えれば、そのリスクについては一目瞭然であり、いくら安全対策を施したところで、必ずリスクは潜んでいるのです。

「原子炉」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?核反応を自在にコントロールするために必要な装置のことですが、福島第一原発での事故の際は、この原子炉も含め、爆発によって建屋が吹き飛びました。つまり、大量の放射能が拡散される非常事態が発生したのです。

原発のこれから

原子力発電は、地球環境に影響を与える汚染物質を排出しないことや、少量の燃料から大きなエネルギーが確保できることなどから、非常に優れたシステムであることは間違いなく、

しかしその大きな危険性から、最優先に求められることは、その安全性です。

日本には、火力、水力、風力といった他の発電システムも十分に備わっています。

原子力発電のリスクをとる必要が本当にあるのか、我々国民が真剣に考え、声をあげる必要があるのかもしれません。